大海原をまっすぐ割るように駆け、ビーチラインで海風を受け、ここが日本とは思えない一面の田園風景を楽しむ。起伏に富んだドライブウェイの果てに、江戸時代の情緒を色濃く残す水郷の商家町へ。
Photography_Maruo Kono, Kenta Yoshizawa Words_Miyako Akiyama Illustration_Soga Johnny
断崖、一転して、田園。そのあざやかな対照
ときどき視界に入る海の変貌にハッとする。
お気に入りの景色を見つけたなら車の置き位置に気を取られすぎず、自分が動いて絶好のアングルを見つけよう。アングルが良ければどんな向きに車を置いても絵になる。
「東洋のドーバー」の名で親しまれている断崖の上をひた走る「銚子ドーバーライン」は、ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら、気持ちのよいストレートが犬吠埼に向かって延びていく。石灰石層の白い岸壁と、九十九里とはまた趣を異にする太平洋の波頭は、本場英仏間のドーバー海峡もかくやと思わせる迫力だ。
銚子ドーバーラインと屛風ヶ浦、名洗港海浜公園のビーチ。
観光地は車や色々な案内板が目立つので、草花や木で隠して撮影すると、自宅にも飾れるような一枚になる。
犬吠埼で内陸へ転じれば、風景は一転して一面の田園に。千葉は、農業産出額において全国4 位という有数の農業県でもあるのだ。そののどかな田畑の傍らに数十基もの近代的な風力発電風車が立つという、一種シュールな風景を眺めながら、房総の大地の豊穣さと先進性について思いを馳せる。
銚子ドーバーラインと屛風ヶ浦、名洗港海浜公園のビーチ。
風景写真を撮るときはプラス補正で逆光気味に。何かのシルエットを入れて撮るのがポイント。自分で見た雰囲気を伝えるために手前に草花を入れるのもテクニック。