DRIVEN ENTREPRENURSHIP

バング&オルフセン ストアーズ ジャパンの会長として、日本市場でBang & Olufsenの舵取り担う黒坂登志明さん。世界を舞台に活躍してきたビジネスリーダーが語るBang & Olufsenの魅力、そして起業家としての思想とは?

Photography_Ken_Takayanagi Text_Koichi Yamaguchi

 

 

 

バング & オルフセンとの運命的な出会い

 

 「私たちのブティックへようこそ」。バング & オルフセン(以下B&O)伊勢丹新宿店を訪れた我々を、黒坂登志明さんは柔らかな笑顔で迎えてくれた。

 2020年よりバング & オルフセン ストアーズ ジャパンの会長として、日本市場における同ブランドの舵取りを担っている黒坂さん。かつて自動車業界に身を置いていた彼は、1995年にポルシェジャパンを立ち上げると社長に就任。日本における販売台数を10倍に押し上げるなど、ビジネスリーダーとして第一線で活躍してきた。北米やオランダ、南アフリカに駐在するなど海外経験も豊富で、英語、オランダ語、そしてフランス語が堪能な国際派だ。

 「学生のころから国際的な仕事に就きたい考え、就職活動ではソニーや本田技研といったグローバル企業に的を絞っていたのですが、オーディオが趣味ということもありソニーが第一希望でした。結局、面接のタイミングで本田技研に入社し、その後はBMWジャパン、当時ポルシェのインポーターだったミツワ自動車、そしてポルシェジャパンと自動車業界一筋できましたが、B&Oというハイブランドオーディオブランド携わることになったのには、運命的なものを感じています」

 

 

 

 

 

 

 ネイビーのストライプスーツにハンチング帽という英国紳士な装いの黒坂さんは、穏やかな口調でそう語る。“運命的”というのは、ポルシェジャパン時代にB&Oから依頼を受け、同社のコーポレートマガジンで当時の社長と対談した経験があるからだ。オーディオ好きとしても、斬新なデザインや革新的なテクノロジーなど、B&Oには注目してきたという。

 「かつてポルシェ本社のCEOだったドクター・ヴィーデキングという優秀な経営者を私は尊敬していて、今でも親交があるのですが、B&Oに携わることになったことを伝えると、『私もオーナーだが、B&Oは素晴らしい。オーディオ界のポルシェだよ』と言ってくれたんです。その言葉は私の心の支えになっているのですが、確かにその通りなんですね」

 高度消費社会が行き詰まりみせる現在、特に先進国では人々が“本当に欲するモノ”以外への需要が著しく低下していると黒坂さんは言う。その結果、オーディオ界では、B&Oのようなハイエンドとイヤホンタイプのものとの二極化が進んでいる。

 「そういう潮流を鑑みると、やはりB&Oは単なるオーディオメーカーではないんです。カッシーナが『我々は家具ではなく生活空間を提供している』といっていますが、B&Oも音響機器ではなく、豊かなライフスタイルとか、人生の安らぎ、明日への活力になるようなものを提供していると私は考えています」

 黒坂さんがポルシェジャパンの社長就任当時、日本での同車のポジションは“大人の走り屋のためのホビーカー”というものだったという。それを覆したいと考えた黒坂さんは「エグゼクティブの解放空間」というコピーを揚げ独自の広告を展開した。

 「一日ビジネスシーンで戦い続けた大人が、ポルシェのハンドルを握った瞬間、オフに戻ることができる。そんな意味を込めました。社会で成功するためには努力が必要です。それに対する報酬、自分へのご褒美がポルシェだと。B&Oも全く同じで、お客様の人生に寄与する存在なのです」

 

 

 

B&Oは今の時代が求める北欧的な価値を提供する

 

 高度消費社会が限界を迎える現代において、同様に大きな潮流となっているのが北欧的な価値観だと、黒坂さんは指摘する。

 「伝統的なものを大切にすることだとか、サスティナブルなライフスタイルだとか、サスティブルなライフスタイルだとか、真に豊かな暮らしだとか、現代は人間にとって根本的な価値がより求められる時代になっていると思っています。B&Oは北欧文化の伝道者として、そうした価値を提供するブランドでもあるのです」

 

 

 

私が海外でのビジネス経験を通じて辿り着いたのが和魂洋才という思想和魂こそ日本人の美徳なのです

 

 一方、グローバルな舞台で戦うビジネスリーダーとしては、禅のような古来の文化に通じる日本人んならではの価値観を大切にしていると黒坂さんは語る。

 「私は海岸でのビジネス経験を通じて『和魂洋才』という思想に辿り着きました。欧米人は議論に勝つ方法やプレゼンテーションのスキルに長けていて、ある技術に対し速やかに体系化してビジネスにするような能力にも優れている。いわゆる“洋才”の部分で、そこは見習うべきだと思います。一方の“和魂”ですが、東日本大震災の被災地のスーパーが特売日に安売りをしているのをある外国人が見て、驚いたという記事を読みました。自分の国ならば3倍の値が付けられるだろうと。そうした他者を慮る心は日本人ならではですし、それこそ私が経営において大切にしてきた考え方です」

 それを具体的に実践してきた例として黒坂さんが教えてくれたのが、経営者として社員を解雇したことがないということだった。

 「私はいつか解雇するかもしれないことを前提に組織を統治するという経営方法は、ビジネスリーダーとして最低だと思っています。そういう組織では社員のマインドは委縮し、イノベーションが起きにくくなります」

 

 

 

 

 

 

 そもそも黒坂さんがそんな思いに至ったのは、ご自身が小学生の時に父親を亡くし、深い悲しみを知ったからだという。

 「それを機に、自分以外の人を不幸にしたくないと考えるようになりました。ところが、組織のトップに立った時に感じたのは、自らの職責を果たすことは競合他社の顧客を奪うことにつながるということです。ある意味で哲学的な命題なのですが、私が行き着いたのは、自分に関わりのある人の幸せを守る以外にしようがない。なぜならば、その人たちだけは絶対に守ろうということでいした」
ブレない経営哲学を心にビジネスの第一線を走り続ける黒坂さんだが、実はすでに古希を迎えている。今なお湧き出る起業家精神の源はどこにあるのか?

 「とにかく仕事をしているのが楽しいんです。スズキのトップを務めてこられた鈴木修さんが何かの記事で『死んだらずっと寝ていられるから、今は寝る必要はない』とおっしゃっていたのですが、私も同様で、体が続く限り仕事をしていたいんです。仕事に年齢なんて関係ないし、今でも30代のひとより頭が柔らかいと思っています」

 そう言ってとびきりの笑顔を見せてくれた黒坂さん。今後、和魂洋才の精神で、B&Oをかつてのポルシェのようにいかに育てていくのか注目したい。

 

 

 

黒坂登志明

1946年神奈川県生まれ。バング & オルフセンの輸入代理店、ザ・ビーズインターナショナル会長兼CEO.本田技研工業、BMWジャパン、ミツワ自動車を経て、96年ポルシェジャパンを設立。社長、会長を歴任。オーディオをはじめ、クルマ、オートバイ、カメラなど趣味は多彩で、自宅では10セットのオーディオコンポーネントを使い分けている。

 

 

 

 

 

バング & オルフセンのある美しきライフスタイルを

 

 

 

 デンマークが世界に誇るハイエンドなオーディオ6ビジュアルブランド「バング & オルフセン」。洗練のデザインと圧倒的なサウンド&ビジュアル体験があなたのライフスタイルを彩ります。

 

 

 

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正面は、起動時にフロントカバーが左右に開きスクリーンがせり上がる、鮮明な映像と極上のサウンドが一体となったテレビ「Beovision Harmony」(77インチ)¥3,278,000、左右は1台8200W の高出力でブランド史上最もパワフルなサウンドを実現したフラッグシップスピーカー「Beolab 90」、¥ 14,300,000(ペア)
広々としたスペースにB&Oの世界観が凝縮された「バング & オルフセン 伊勢丹新宿店」

 

 

 

最新イヤフォン「Beolab EX」¥39,900
向かって右からコネクテッドスピーカー「Beosound 2GVA」¥349,900「Beosound Balance」¥344,900~

 

 

 

【Bang & Olufsen】

伊勢丹新宿店 03-3552-1111(代表)

営業時間 10:00-20:00

 

 

広々としたスペースにB&Oの世界観が凝縮された「バング & オルフセン 伊勢丹新宿店」

 

表参道店 03-6263-8957

日本橋店 03-6281-9435

西武渋谷店 03-3462-0111

秋葉原店 03-5209-1010

梅田店  06-6313-0790

博多店  092-735-1285

 

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