Must-Go Spots

入り口から目にするのがこのアプ ローチ。左に金明孟宗竹、右に京都の 職人によって直線に仕上げられた竹が 整然と並ぶ。

青山、小石川、銀座、目黒エリアに点在するディーラー。時間に余裕がある休日はそこから足を延ばし、大人の好奇心を満たすあの場所へ。

Photography_Megumi Uchiyama   Words_Mariko Uramoto

 

 

 

 

根津美術館

Nezu Musium

 

2匹の羊が背中合わせになった「双羊尊(重文)」。羊をモチーフにした尊は大変珍しく、現在見つかっているのは大英博物館所蔵のものと根津美術館の2 体だけという。
明治初期、日本や東洋の古美術が欧米へ流出することを危惧した初代嘉一郎は個人の趣味を超えて、後世のため積極的に東洋古美術を蒐集した。

 

 

 「昭和の鉄道王」として知られる実業家の根津嘉一郎。根津美術館は彼が蒐集した日本と東洋の古美術品を保存、展示するために作られた国内有数の私設美術館だ。若い頃から古美術に深い関心を寄せていた嘉一郎の蒐集は「豪快」と有名で、欧米など海外への流出を防ぐため、貴重な美術品を徹底的に集めていったという。その遺志を引き継いだ二代目の根津嘉一郎が昭和15 年に財団を設立、その翌年に根津美術館を開いた。当時約4600 点あった収蔵品は、その後、約7400点を超える大コレクションに。2000 年に入り、作品を収蔵していた蔵の耐震化のため、建築家の隈研吾に依頼し、収蔵庫の整備と展示室の新設という大規模改修を決断したのは現館長の根津公一だ。2009 年に新創された展示棟は趣の異なる6 つの展示室を有し、従来の約2 倍の広さを誇る。ここで年7 回の企画展を行い、国内外から多くのゲストを迎える。また、豊富な収蔵品とともに注目したいのが照明技術だ。リニューアル時に変更したという約8 万個のLED は作品の鑑賞に適した調光を可能にし、光の明暗調整だけでなく、白い光から暖かな光まで演出。作品をより一層、魅力的に照らす。

 

 

 

寺院建立を考えていた嘉一郎は石仏類も多く蒐集した。樹々の中に穏やかな表情をたたえた石像が配されている。
広大な庭から本館を眺める。大屋根を覆う鉄板は3 ミリと非常に薄く、建物に軽快な印象を与えている。本館の庭園口から石畳の小径を進んだ先には茶席やさまざまな石造物が点在する庭園が広がる。
石橋の上から眺める池には水面ぎりぎりにまで紅葉が枝をおろす。この静かな環境に癒されるのは人間だけではない。たびたびカワセミ、きつつきなど珍しい鳥たちも羽を休めに訪れるという。
全4 つある茶室ではさまざまな茶会が開かれている。また、初心者や未経験者向けに春と秋の年2 回、美術館が主催する茶会も行われている。
緑豊かな庭を望むNEZU CAFÉ。
構造鉄骨も意匠になったガラス張りの壁面。館内に明るい光がさしこむ。

 

 

 

 彫刻、漆芸、金工、考古など多岐にわたる根津美術館のコレクション。それを形成する一つに茶道具がある。同館の礎を築いた初代嘉一郎は当時、政財界の社交として親しまれていた茶会に深く傾倒。そこでも本来の蒐集気質を発揮し、茶道具や掛け軸など多くの名品を買い集めたという。もちろんそれを秘蔵するだけにとどまらず、そのお披露目も兼ねて、益田鈍翁や松永安左エ門をはじめ、名だたる茶人、実業家たちを招き、生涯にわたってさまざまな茶席を設けた。その名残から根津美術館では嘉一郎の号「青山(せいざん)」の名を冠した「青山茶会」を運営している。ここでは敷地内に点在する茶室で年に4 回茶会を開き、お茶や美術に対する造形を深め、交流を果たす役目を担っているという。

 また、約6 千坪の広大な日本庭園も魅力の一つ。燕子花、紅葉とさまざまな表情で彩られる庭園は青山のオアシスとして広く親しまれている。周囲に高い建物がなく、起伏に富んだ土地に作られた庭園に身を置くと都会の中心にいることも忘れてしまうほど静かな時間が流れる。美術鑑賞とともに季節の移ろいも楽しみたい。

 

 

【Infomation】

企画展は年7 回。12 月18 日までは「円山応挙展」を開催。「写生画」だけでなく、生涯を通じてさまざまな作品を残した応挙。それらを通じて彼の奥深い世界観を読み解く。また、根津美術館所蔵の一つ、国宝「燕子花図屏風」は毎年4 〜5 月、庭の燕子花が咲く頃に期間限定で展示。

 

根津美術館 東京都港区南青山6-5-1 Tel 03-3400-2536

Open 10:00 〜17:00(入館は16:30 まで) Close 月曜 駐車場 9 台(うち1 台は身体障害者優先)

 

ポルシェセンター青山から 徒歩 8 分 ジャガー・ランドローバー青山から車で 7 分
マクラーレン東京から車で 8 分 ポルシェセンター目黒から車で 15 分

 

 

 

 

東京大学院理学系研究科付属植物園(小石川植物園)

Botanical Gardens, Graduate School of Science, The University of Tokyo(Koishikawa Garden)

 

 

長く続くカエデ並木。この奥にはボダイジュの木が続く。園内の敷地は台地、傾斜地、低地、泉水地など地形の変化に富んでおり、これを利用して植物配置が行われている。また、ソメイヨシノを中心にしたサクラ林は小石川エリアの名所の一つ。蕾が膨らみはじめるころから、満開の時期にかけて多くの人が訪れ、園内が一層華やかになる。樹の下は芝生になっているので、一面が桜色の絨毯になるのも見所だ。

 

 

 通称「小石川植物園」の名前で親しまれている東京大学大学院理学系研究科附属植物園。植物学の教育・研究を目的とする教育実習施設だ。

 今から約300 年前に徳川幕府がこの地に設けた「小石川薬園」を起源とした日本最古の植物園であり、世界でも有数の歴史を持つ。その歴史を物語るのが由緒ある植物やその遺構だ。たとえばニュートンが万有引力を発見したきっかけになったりんごの木。この木は接木によってさまざまな研究機関へ分譲されているが、その一つが英国物理学研究所の所長から東京大学教授の柴田雄次博士に贈られ、この地に接木されている。

 48,880 坪という広大な園内には日本や東アジアに分布する高等植物を中心に約4000 種を収集、栽培しており、ソメイヨシノやカエデ並木のほか、フジ、キクなどさまざまな花が咲き誇る。また、遠州派の流れをくむ日本庭園も有名だ。自然の地形を巧みに利用した作りで、江戸時代の代表的な庭園の一つといわれている。また、一角には約50 種、100 株あまりの梅林があり、蕾が膨らみはじめる頃から多くの人で賑わう。他では見られない珍しい梅を観にぜひ訪れたい。

 

 

園内に決められた順路はないので自由に散策を楽しみたい。初秋には、珍しい黄色いショウキズイセンが眺められる。
薄く色づいたスイフヨウバラ。

 

 

 

 

東京大学綜合研究博物館小石川文館(建築ミュージアム)

The University Museum, The University of Tokyo

 

 

小石川分館は東京大学に現存する最古の学校教育用建物。館内を眺めるだけでも訪れる価値がある。

 

 小石川植物園の敷地内にあるのが2013 年に開館した建築ミュージアムだ。重要文化財に指定されている旧東京医学校本館の建物を活用したもので、明治初期の木造擬洋風建築の貴重な歴史遺産だ。洋風、唐風、和風の三要素が混交して取り入れられた作りには、伝統とモダンの結託するさまを見てとることができる。館内では建築模型や、東京大学建築など6 つのコーナーに分けて幅広く「アーキテクチャ」を展示、紹介している。

 また年に数度、若手の研究者を招き、講演会も開催。独自の視点で説く建築の楽しみ方に耳を傾けたい。

 

 

三重塔の耐震強度をはかるための模型。まるでミニチュアハウスのように室内まで精巧に作られている。
古代から現代に至るまでの建物模型。国内外の著名な近代建築を選抜。近現代ミュージアム建築の模型が並ぶ展示室もある。
明治・大正期の本郷キャンパスの歴史的な校舎建築の模型が展示されているコーナー。精巧な木造模型は、イタリアで最高の木工職人として知られた故ジョヴァンニ・サッキとその工房によって制作。
可動性の民族建築の実物パーツを中心に据えているのは身体空間の展示室。ここでは台湾ヤミ族のカヌーを水上建築と捉えて展示している。リュウガンやパンノキの材木を組み合わせて作る、竜骨を持つ寄せ板造りの船は独特の存在感を放つ。
かつて東京大学経済学図書館にあった図書カードの棚。中には当時の図書カードも入ったままになっている。写真入れの額や模型を展示するテーブルの足に以前東京中央郵便局で使われていた窓枠を再利用するなど、さまざまなところで歴史の一片を感じることができる。

 

 

 

【Infomation】

東京都文京区白山3-7-1 Tel 03-3814-0138

Open 9:00 〜16:30(入園は16:00 まで)Close 月曜(祝日の場合はその翌日)
入園料 大人(高校生以上)400 円、小人(中学生、小学生)130 円

 

東京大学総合研究博物館 小石川分館(建築ミュージアム)
Tel 03-5777-8600(ハローダイヤル)
Open 10:00 〜16:30(入園は16:00 まで)

Close 月・火・水曜(いずれも祝日の場合は開館)、年末年始、その他不定休 入場無料

 

レクサス小石川から 徒歩 10 分
ポルシェセンター銀座 小石川認定中古車センターから 徒歩 10 分

 

 

 

 

筑地市場

Tsukiji Market

 

 日が昇るよりも早くから営業が始まり、往来するターレーがさらに活気を盛り上げる。築地市場の朝はいつも賑やかだ。有名料亭の料理人から海外の旅行客までさまざまな食通が訪れるこの場所はまさに美食の宝庫。市場内には39 の飲食店がひしめきあう。これだけの店があるのだから、どこに行こうか迷ってしまうが、特におすすめしたいのが「センリ軒」だ。大正時代初期、日本橋でミルクホール「千里軒」として創業し、その後、魚河岸とともに築地に移転。以来、この地で働く人の憩いの場として愛され続ける名店だ。朝9 時頃になると、仕事を終えた市場の人たちが羽を休めに次々と来店。3代目オーナーの川島進一さんとのおしゃべりを楽しみに訪れる常連客も多く、新参者の来場者は川島さんと常連さんの小気味いい会話をBGM にメニュー選びを楽しんでもらいたい。とろとろに煮込まれたシチューや、昔ながらの製法で作られたプリンなど名物メニューが目白押し。一番人気のカツサンドは木村家の食パンと自家製のカツのみで作られた非常にシンプルなスタイルで幅広い層に支持される一品。パックに入ったものも用意されているので、築地土産としても最適だ。

 

ポルシェセンター銀座から 車で 8 分 マクラーレン東京テクニカルセンターから 車で 14 分

 

 

 

〈築地市場 場内〉

 

センリ軒

 

素朴で美味しいシンプルなカツサンド 700 円。
カウンター席は常連さんの特等席。
文字が消えかかった看板に歴史の重みを感じる。
店を切り盛りする3代目オーナー川島進一さん。50年間変わらずカウンターに立ち続ける。

 

 

東京都中央区築地5-2-1 築地市場8 号館

Tel 03-3541-2240
Open 4:00 〜12:30 Close 日・祝休(築地市場に準ずる)

 

 

 

〈築地市場 場外〉

 

大定

 

 
 
 

 

 

築地の玉子焼き専門店の中でも、上品な味わいにファンが多い大定。約一世紀にわたり営業を続け、変わらぬ味を提供している。看板商品の「つきじ野」は良質の地養卵と秘伝の出汁だけで仕上げた飽きのこない味。また、商品のラインナップが豊富で、季節の素材を巧みに取り入れた玉子焼きも登場。「この時期だけの味」という特別感も堪能したい。

 

東京都中央区築地4-13-11
Tel 03-3541-6964
Open 4:00 〜14:30(土曜のみ〜15:00)Close 日・祝・休市日

 

 

 

つきじ常陸屋

 

 
 
 

 

日々の料理に欠かせない台所道具約1500 点が並ぶ。店主の廣田さんは日本全国を飛び回り、地方の職人と直接会い、納得したものだけを仕入れる。その審美眼によって厳選された道具は使えば使うほど手になじみ、味わい深い表情が出てくるものばかり。岩手県南部地方で作られたオリジナルの鉄瓶などここでしか手に入らないものも並ぶ。

 

東京都中央区つきじ4-12-5 シグネット・ドゥ1F
Tel 03-3541-1296
Open 月〜土曜8:00 〜15:00 日・休市日10:00 〜14:00 Close 祝日・不定休

 

 

 

築地 さのきや

 

 
 
 

 

 

「たい焼き」ならぬ「まぐろ焼き」で人気のさのきや。一般的な平べったい鯛とはちがい、身がつまったまぐろの形状をリアルに表現するため、深めの型で生地を焼き、その中に、銅釜でじっくり炊き上げた十勝産小豆の豊祝の餡がたっぷり入る。「本マグロ」と中に餡が入った「中トロ」の2 種類。ふかふかの胴体とパリパリの縁の部分と2 つの食感が楽しめる。

 

東京都中央区築地4-11-9
Tel 03-3543-3331
Open 8:00 〜15:00 Close 日・祝・休市日

 

 

 

 

JRA馬事公苑

Bajikouen

(東京2020オリンピック・パラリンピックの為、現在休苑中。再開は2022年秋頃の予定。)

 

 

 1940 年に開苑したJRA 馬事公苑。1964 年に開幕した東京五輪では馬術大会の会場となり、日本が団体で6 位入賞を果たすなど歴史の一ページを刻んだ場所でもある。18 ヘクタールを超える苑内には3 つの馬術場があり、週末には馬術大会で盛り上がる。また、手入れの行き届いたガーデンスペースでは週末になるとピクニックを楽しむ利用客の姿も多く見かけられる。同苑は2016 年内の営業をもって、2020 年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて改修工事に入る。世田谷区で五輪競技が行われるのはこのJRA 馬事公苑のみ。4 年後の開苑を今から心待ちにしたい。

 

 

【Infomation】

馬術大会はオリンピック・パラリンピックで唯一動物を扱う競技で、しかも男女の区別がないという珍しいスポーツだ。12月末まで毎週末、馬術大会が行われているので、馬と人間が織りなす華麗な演技を間近で見ておきたい。苑内には、ひょうたん型の池が印象的な日本庭園や野鳥の住みかになっている広な自然林など、豊かな景観も広がる。

 

JRA 馬事公苑 東京都世田谷区上用賀2-1-1

Tel 03-3429-5101

※東京2020オリンピック・パラリンピックの為、現在休苑中。再開は2022年秋頃の予定。

 

ポルシェセンター青山 世田谷認定中古車センターから 徒歩 6 分

 

 

 

〈週末散歩に話題のお店でテイクアウト〉

 

ジャン フランコ

 

 
 

 

 

 

美食文化を育んできたイタリア・ピエモンテ州、ブラ村で1923 年に創業した有名パネッテリーア(パン屋)、ジャン フランコの日本一号店。本国から譲り受けた天然酵母パネトーネ種を使った滋味深い味わいのパンにファンが多い。ピクニックに最適なサンドイッチも人気。

 

東京都世田谷区用賀4-14-21
Tel 03-6432-7317
Open 10:00 〜18:00 Close 不定休

 

 

 

815 coffee stand

 

 
 

 

住宅街の中のコーヒースタンドは、世界バリスタチャンピオンに輝いた澤田洋史が運営するストリーマーコーヒーで焙煎された豆を使い、香ばしい1杯を提供。エスプレッソベースのドリンク以外に季節限定のメニューも登場する。店内で焼き上げるクッキーやスコーンも人気。

 

東京都世田谷区弦巻4-11-17
Tel 03-5799-4454
Open 9:00 〜18:00 Close 水曜

 

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